オルヴァル
ORVAL修道院が造ってるトラピストビール。
オルヴァルに描かれている鱒がくわえている指輪は、1076年(カノッサの屈辱の前年ですね、、これ書きたかっただけw)にここを訪れたトスカーナの伯爵夫人が結婚指輪をマチルドの泉に落としてしまった。そこで彼女は「もしも指輪を戻してくれたなら、お礼に立派な修道院をこの谷に建てます」と祈ったところ、一匹の鱒が口に指輪をくわえて上がってきたそうな。
色はオレンジがかった濃いめのアンバー。ドライホッピングによるホップの香りと焼きリンゴのようなブーケ?酵母由来のスモーキーさとでも言うのでしょうか、複雑な味わい。飲むごとに、そして瓶詰めからの時期でも味わいが変わります。グラスは聖杯型でどっしり。
お客さんとオルヴァルのことを話していた時のこと、
とあるビアバーに来たワインソムリエがオルヴァルを注文。
なんか違う、「私が飲んだことあるオルヴァルはこんな味ではない」と言って三本のボトルを開けたらしい。
ワインのソムリエだし味覚嗅覚には絶対の自信があるでしょう。もしかしたらここボトルは状態が悪いと思ったのかもしれません。
そんな話をしてて、そういえば数年オルヴァルを飲んでないなってことで仕事が終わった後で飲んでみた。
全然印象が違う!
ブレタノマイセスが強い、もうすこしスモーキーというか麦芽の焙煎の香りが強かった記憶が。とにかく印象は違う。ワインからすればこれはダメな味、これを飲んだソムリエはそう思ったのかもしれません。
てことでちょっとネットで調べたら
オルヴァルには瓶内発酵用に糖と複数の酵母が入ってて、働きの早いサッカロマイセス(ビール、ワイン、パン等の酵母はこの属性)、働きの遅いブレタノマイセス(ランビックで使われる野生酵母)この二つの酵母の力で瓶詰めしてから2ヶ月後と8ヶ月後で味が変わるとのこと。
酵母によって食べる糖が違うとか。
引用:ベルギービールJAPAN
この辺がベルギービールの面白さ、ボトルの面白さ。
品質をあえて同じにしない面白さなんですね。